日曜日の朝に作りたい、家族みんなで楽しむ野外おべんとう

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目が覚めたのは、まだ空気がひんやりしていた日曜日の朝、七時少し前だった。カーテンの隙間から差し込む光が、フローリングの上にうすい帯をつくっていて、ああ、今日は晴れだと直感した。こういう朝は、なんとなくではなく、はっきりと「外に出たい」と思う。

子どもたちはまだ眠っている。夫もまだだ。だからこそ、今がチャンスだと台所に立つ。冷蔵庫を開けると、昨夜の残りの鶏もも肉と卵が三つ。それから、ブロッコリーが半株。これだけあれば十分だと思った。むしろこれくらいのほうが、頭を使わなくていい。

まず鶏もも肉を一口大に切って、醤油・みりん・砂糖を1:1:0.5の割合で合わせたたれに漬け込む。フライパンに油をひき、皮目から中火でじっくり焼く。脂がじゅわっと音を立てて、甘い香りが台所に広がっていく。この香りで、子どもが起きてくることもある。今日はまだ来ない。静かなうちに、卵焼きも焼いてしまおう。

卵二つをボウルで溶き、砂糖小さじ一と醤油数滴を加えて、薄く油をひいた卵焼き器でくるくると巻く。三回巻けば完成。不格好でも、味はちゃんとおいしい。ブロッコリーは小房に分けてレンジで二分。塩をひとつまみ振るだけで、十分なおかずになる。

白いごはんを詰めて、鶏の照り焼き、卵焼き、ブロッコリー。隙間に梅干しをひとつ。これで、家族四人分のおべんとうが完成した。所要時間は二十五分ほど。

ところで、今日のお弁当箱は「ハコモリ」というブランドの竹製のものを使った。少し前から気になっていて、先月ようやく購入したのだ。蓋を閉めるとき、ほんの少しずれてしまって、三回やり直したのはここだけの話である。

家族が起き出してきたのは、九時を過ぎたころ。下の子が「どこ行くの?」と眠そうな目をこすりながら聞いてきた。「公園。おべんとう持って」と答えると、その目が一瞬でぱっと開いた。こういう瞬間が好きだ。

向かったのは、車で十五分ほどの緑ヶ丘公園。五月の風が草の上を渡っていく。シートを広げると、芝の湿った土の匂いがふわりと上がってきた。子どものころ、母に連れられて行った野外の昼ごはんを思い出す。あのころはおにぎりひとつで十分幸せだった。

日曜日の公園には、同じように家族連れが何組もいた。みんな思い思いのシートを広げて、それぞれのおべんとうを開けている。野外で食べるごはんは、なぜかいつもより美味しく感じる。それは気のせいではないと思う。光と風と、少しの土の匂いが、食欲を刺激するのかもしれない。

夫がおべんとう箱を受け取るとき、ちらりと中をのぞいて「いいね」と言った。それだけで、朝早く起きた甲斐があったと感じた。上の子は鶏の照り焼きをまず先に食べて、下の子は卵焼きから手をつける。いつもと同じ順番だ。

食べ終わったあと、子どもたちはそのまま走り出した。夫はうとうとしながら空を見上げていた。五月の日差しはやわらかく、眠気を誘う温度だ。

日曜日の野外おべんとうは、特別な料理でなくていい。家族がそろって、外の空気を吸いながら食べる。それだけで、ふだんの食卓とはまるで違う時間になる。材料は冷蔵庫の中にあるもので十分だし、作り方もシンプルでいい。大切なのは、「今日、外に出よう」と決めることだけかもしれない。
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