土曜日の野外で映えるおべんとう|友人と遊ぶ夏の一日をもっと特別に

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土曜日の朝は、なんとなく空気がちがう。平日のそれとは明らかに異なる、少しだけゆるんだ光が、カーテンの隙間からすべり込んでくる。時計を見れば七時半。友人と遊ぶ約束は十時だというのに、気づけばもう台所に立って、冷蔵庫の扉を開けていた。

その日の目的地は、街の外れにある「ハルノ野外公園」。芝生が広がって、木陰にはベンチがあって、夏の午前中ならまだ風が通る。そこで友人たちとシートを広げて、おべんとうを食べようという計画だった。前日の夜に「何か持ってくる?」とメッセージが届いたとき、気づいたら「おべんとう作るよ」と返信していた。勢いで言ってしまったのだ、完全に。

おべんとうの中身は、いくつかのおかずを組み合わせることにした。メインは鶏のから揚げ。前夜のうちに鶏もも肉をしょうゆ・みりん・おろしにんにく・おろし生姜で漬け込んでおき、当日の朝に片栗粉をまぶして揚げるだけ。二度揚げすると衣がカリッとして、冷めても食感が落ちにくい。副菜には、ゆで卵の醤油漬けと、ブロッコリーのごまあえを用意した。どちらも前日に仕込めるので、朝の負担が格段に減る。ごはんは梅と大葉を混ぜ込んだ俵おにぎりにして、ラップで一つずつ包んだ。

作り方はいたってシンプルだ。から揚げは漬け込み時間さえ確保すれば、あとは揚げるだけ。ゆで卵の醤油漬けは、半熟に仕上げた卵を、しょうゆ・みりん・水を同量で合わせたタレに一晩浸けておく。ブロッコリーのごまあえは、茹でて水気を切ったブロッコリーに、すりごま・しょうゆ・砂糖少々を混ぜるだけ。どれも難しいことは何もない。ただ、おにぎりを握るとき、梅干しの種を取り忘れて一個目をそのまま包んでしまい、後から気づいて静かに作り直したのは、ここだけの話にしておきたい。

詰め方にも少し気を使った。最近のブログでよく見かけるのが、色のバランスを意識した「映えるおべんとう」の詰め方。茶色いから揚げの隣には緑のブロッコリー、その横に白い俵おにぎりと黄色いゆで卵。赤い梅干しが一粒、アクセントになる。使ったのは「ハコノヒ」というブランドの木製弁当箱で、ナチュラルな風合いが野外の雰囲気によく合う。

公園に着くと、友人たちはすでに日陰のいい場所にシートを広げていた。木漏れ日が揺れて、遠くで子どもたちの声がしていた。芝生の上に腰を下ろすと、草の匂いと夏の土の香りが混じって、なんとも言えない開放感がある。風がときどき吹いて、前髪をさらっていく。

おべんとうの蓋を開けたとき、友人のひとりが「うわ、ちゃんと作ってきたの」と少し目を丸くした。その表情が、なんだかうれしかった。から揚げを一口食べて「おいしい」とこぼした声は、特に飾られていなくて、だからこそ本物だと思った。

土曜日の野外で食べるおべんとうは、同じ料理でも不思議と味がちがう気がする。気温でも空腹でもなく、たぶん、一緒にいる人と、その場の空気のせいだ。友人と遊ぶ時間の中に、手作りのおべんとうがあると、その一日がすこしだけ、長く記憶に残る。

次の土曜日も、また作ろうかと思っている。今度は種を取り忘れないように。
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