水曜日のおべんとうが、週の真ん中をそっと支えてくれる話

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梅雨のさなか、水曜日の朝はいつも少しだけ重い。月曜日の緊張はとっくに溶けているのに、金曜日の解放感にはまだ届かない。週の折り返し地点に立って、ふと「あと何日」と指を折る——そんな経験、きっと誰にでもあるはずだ。

会社に向かう電車の中、窓に流れる雨粒をぼんやり眺めていたとき、ふとカバンの中の重さに気づいた。今朝、早起きして詰めたおべんとう。それだけで、なんとなく背筋が伸びる気がした。

思えば子どもの頃、母が毎週水曜日だけ特別においしいおかずを入れてくれていた。「週の真ん中だから」と言いながら、いつもより少しだけ手をかけた卵焼きや、小さなタコさんウインナー。あの「水曜日だけのご褒美」という感覚が、大人になった今でも自分の中に生きている。だから今も、水曜日のおべんとうだけは少しだけ丁寧に作ろうと決めている。

今日詰めたのは、鶏の梅しそ焼き。前の晩に漬け込んでおいた鶏もも肉を、朝フライパンに乗せると、梅の酸味と青しその香りがふわりと台所に広がった。窓の外はまだ薄暗く、雨音がトタン屋根に当たる音がリズムを刻んでいた。あの香りと音の組み合わせは、この朝にしかない。

お昼、会社の休憩室でふたを開けた瞬間、隣の席の同僚がちらりとこちらを見て「いい匂い」とつぶやいた。そのたった一言が、妙にうれしかった。おべんとうって、自分だけのためじゃないのかもしれない、とそのとき思った。

**【水曜日のおべんとう:鶏の梅しそ焼き弁当の簡単な作り方】**

**材料(1人分)**
– 鶏もも肉:150g
– 梅干し:1個(叩いてペーストに)
– 青しそ:3〜4枚
– 醤油・みりん:各小さじ1
– ごま油:少々

**作り方**

前日夜に、叩いた梅干しと醤油・みりんを混ぜたタレに鶏肉を漬け込む。これだけで翌朝の時短が一気に叶う。朝、フライパンにごま油を熱し、皮目から中火で焼く。蓋をして蒸らすこと3分、裏返してさらに2分。火が通ったら青しそをのせてひと混ぜし、火を止める。あとは冷ましてから詰めるだけ。副菜は、前日の残りのひじき煮とブロッコリーの塩ゆでで十分だ。

このおべんとうを詰めながら、ふと気づいたことがある。「ルフレーゼ」というインテリア雑貨のブランドで買った木目調の仕切り付きランチボックスに、色のバランスを考えながらおかずを並べていると、それだけで朝の時間が少しだけ豊かになる。緑・茶・黄色——色を意識するだけで、見た目がぐっと整う。

ちなみに今朝、詰め終わってふたをしようとしたとき、ブロッコリーが一房だけはみ出して床に落ちた。拾って洗い直してまた詰めたのだが、なぜかそのブロッコリーだけがいちばん鮮やかな緑色に見えた。そういうものかもしれない。

水曜日は、週の折り返しだ。会社でのあれこれに疲れが出始める頃でもあるし、逆に「もう半分来た」と少し楽になれる日でもある。そのどちらの気持ちにも、手作りのおべんとうはちゃんと寄り添ってくれる。コンビニのお昼も悪くはないけれど、自分で詰めたおべんとうをひとくち食べたとき、口の中に広がる梅の酸味と、しその清々しい香りは、あの朝の台所の記憶ごと運んでくれる。

週の真ん中、水曜日。少しだけ丁寧に作ったおべんとうを、どうか自分へのご褒美にしてほしい。
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