
月曜日の朝はなんとか乗り越えた。火曜日は会議が続いて、気づけば夜。そして**水曜日**の朝がやってくる。週の折り返し、という言葉がこんなにも正確に気持ちを言い当てるとは、社会人になって初めて知った。
窓の外はまだ薄暗くて、5月なのに空気がひんやりしていた。この時期の朝特有の、少し湿った土の香りが換気扇越しにほんのり漂ってくる。台所に立ちながら、「今日くらい何か特別なものを詰めてあげよう」と思った。会社のランチタイムに、お弁当箱のふたを開けた瞬間だけは、午後への活力が生まれる気がする。少なくとも、自分はそうだ。
今日のお弁当は、鶏の梅しそ焼き弁当にした。
子どもの頃、母が水曜日だけ少し豪華なお弁当を作ってくれていたことを思い出す。「週の真ん中だから元気出しなさい」と言いながら、唐揚げをいつもより一個多く入れてくれた。あの日の油の香ばしい匂いと、アルミのお弁当箱の温かさが、なぜか今も指先に残っている。大人になった今も、水曜日のお弁当にはどこかそういう気持ちを込めてしまう。
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**【鶏の梅しそ焼き弁当の作り方】**
鶏もも肉は一口大に切り、梅干し(種を除いてたたいたもの)大さじ1、みりん大さじ1、醤油小さじ2を合わせたタレに10分ほど漬ける。フライパンに油を引いて中火で皮目からじっくり焼き、ふたをして蒸し焼きにするのがポイント。焼き上がりにタレを絡めて照りを出す。大葉は最後にのせると香りが飛ばない。副菜は前夜に作っておいたきんぴらごぼうと、ゆで卵半分。ご飯には白ごまをひとつまみ。
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詰める作業が、実は一番好きだったりする。色のバランスを考えながら、緑・茶・黄色と並べていくあの時間。今日はシソの緑が鮮やかで、われながらうまく詰められたと思った——のだが、ふたを閉めようとした瞬間、きんぴらの汁がほんの少しご飯側ににじんでいることに気づいた。まあ、味は変わらない。そういうことにしておく。
お弁当箱は最近、「HACOBI(ハコビ)」というブランドの木蓋タイプのものを使っている。ふたを開けるたびにかすかに木の香りがして、それだけで気分が上がる。会社のデスクで、同僚がそのふたをちらりと見て「いいね、それ」と言ってくれた日のことを、なぜかよく覚えている。
「大きな消費ではなく、小さく、自分らしい消費」を大切にする価値観が広がっている
と言われる2026年。お弁当はまさにその象徴かもしれない。コンビニでさっと済ませることもできるのに、それでも朝の15分を使って詰める。その行為自体に、意味がある。
週の折り返しの水曜日、会社へ向かう電車の中で、バッグの中のお弁当袋をそっと確認する。重さが、ちゃんとある。それだけで、今日もなんとかなる気がした。
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**【今週の水曜日弁当アレンジ提案】**
– **月曜の残り活用版**:週明けに作ったカレーをドライカレーにアレンジ。水気を飛ばせば夏場も安心。
– **5分で完成版**:冷凍ご飯+塩昆布+ごま油で混ぜご飯おにぎり。梅干し1個添えるだけで立派な一品。
– **映え重視版**:赤・黄パプリカのソテー+卵焼き+ブロッコリーの三色弁当。色だけで気分が変わる。
日常の中で共感され、SNSを通じてじわじわ浸透していくものへとトレンドが変化している
今、お弁当の記録をSNSに投稿する人が増えているのも納得だ。誰かの水曜日のお弁当が、また誰かの水曜日の励みになる。そういう小さな連鎖が、続いている。
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