
月曜日の朝は、なんとなく空気が違う。
土日のゆるんだ時間が終わって、また一週間が始まる。目覚ましが鳴る前から薄く目が覚めて、カーテンの隙間から差し込む光がまだ青白い。6時ちょうど。台所に立つと、冷蔵庫の扉を開けた瞬間のひんやりした空気が顔に当たる。そのとき、ふと思う。「今日くらい、ちゃんとしたおべんとうを持っていこう」と。
毎日続けることを目標にしていた時期もあった。でも正直、火曜日あたりから失速して、木曜日には「コンビニでいいか」となる。それが自分のリズムだと気づいてから、月曜日だけ気合いを入れるスタイルに落ち着いた。完璧じゃなくていい。週に一度だけ、ちょっと丁寧に作る。それだけで、会社に向かう足取りが少しだけ軽くなる気がする。
おべんとうの中身は、そんなに凝らなくていいと思っている。
たとえば、鶏の照り焼き。フライパンに薄く油を引いて、皮目から焼く。じゅわっという音と一緒に、醤油とみりんの甘い香りが台所に広がる。焦げないように火を弱めながら、蓋をして蒸らすこと3分。それだけで、ちゃんと中まで火が通る。切り分けてごはんの横に並べると、照りが光ってそれだけで「作った感」が出る。
もう一品は、ゆで卵の味付け卵。前日の夜に作っておくと楽だ。半熟に仕上げたゆで卵を、めんつゆと水を1対1で合わせた液に漬けておく。朝になると、ぷるんとした卵がしっかり色づいている。断面を見たときの、黄身のとろりとした質感。これがあるだけで、弁当箱の中が一段と豊かに見える。
副菜はほうれん草のおひたし、もしくは小松菜の炒め物でも十分。色が入ると、全体が締まって見える。緑、茶色、黄色——この三色が揃えば、見た目のバランスはほぼ完成だ。
弁当箱は、数年前に雑貨店「ノルティカ」で買った木製の曲げわっぱを使っている。最初は「洗うのが面倒そう」と思っていたのに、使い始めたら手放せなくなった。木の香りがごはんにうつって、冷めても美味しく感じられるのが不思議だ。プラスチックの弁当箱とは、明らかに何かが違う。
ここで少し、昔の話をしてもいいだろうか。
子どもの頃、母が作ってくれるお弁当の中で一番好きだったのが、俵型のおにぎりだった。海苔の巻かれた小さな俵が3つ、弁当箱にきっちり並んでいる。その中に梅干しが入っているときと、鮭が入っているときがあって、開けるまでわからないのが楽しかった。今思えば、あれは母の「今日はどっちかな」という小さなゲームだったのかもしれない。
大人になって自分で弁当を作るようになって、初めてわかったことがある。あの俵の形を綺麗に作るのが、意外と難しいということだ。最初に作ったとき、力の入れ方がわからなくて、三角でも丸でもない謎の形になってしまった。本人は「俵のつもり」だったのに、同僚に「それ、何?」と聞かれたのはいい思い出である。
月曜日のおべんとうには、もう一つ意味がある。
会社に着いて、昼になる。デスクの引き出しから弁当箱を取り出すとき、朝の自分が「今日ちゃんとやった」という小さな証拠がそこにある。仕事がうまくいかない日も、会議が長引いた日も、弁当箱を開ける瞬間だけは自分のペースに戻れる。照り焼きの甘い香りが、少しだけ気持ちをほぐしてくれる。
誰かに見せるためでも、SNSに上げるためでもない。ただ、自分のために作る一箱。
週に一度だけ気合いを入れる、それくらいのゆるい習慣が、意外と長続きする。月曜日の朝、冷蔵庫の前に立ったとき、少しだけ前向きな気持ちになれるなら——それで十分だと思っている。今週も、弁当箱を持って出かけよう。
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