日曜日の朝に作る、野外おべんとうのすすめ――家族と過ごす緑の午後のために

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梅雨の晴れ間というのは、なぜこんなにも特別な光を持っているのだろう。雨粒を吸い込んだ葉が、朝の斜光を受けてひとつひとつ輝いている。そんな日曜日の朝、わたしはいつもより少し早く台所に立つ。特別なことは何もない。ただ、家族と野外でお弁当を食べようと決めた、それだけの理由で。

子どものころ、母がアルミのお弁当箱に詰めてくれた卵焼きは、いつも少し甘すぎた。甘すぎるのに、なぜか外で食べると格別においしかった。風のせいなのか、土の匂いのせいなのか、今でもよくわからない。あの記憶が、わたしを日曜日のたびに台所へ向かわせる気がする。

今日持っていくのは、ごくシンプルな構成だ。おにぎりを三種類、鶏のから揚げ、卵焼き、ブロッコリーのごま和え。それから子どもたちが必ずリクエストする、ミニトマト。彩りのためというより、もはや「ないと怒られる」から入れている。

おにぎりはまず、温かいうちに握る。塩を手のひらに薄く伸ばし、ご飯を包むようにふんわりと。ぎゅうぎゅうに押し固めると、食べたときにぼそぼそになってしまう。具は梅、鮭、そして昆布の三種。梅は種を取り除いて軽くたたき、鮭は前夜に焼いておいたものをほぐしておく。

卵焼きは、だし巻きではなく甘めの関西風にする。卵三個に砂糖小さじ一と半分、醤油少々、みりんひとたらし。フライパンに薄く油を引いて、三回に分けて巻く。最初の一巻きがうまくいかないと全体が崩れるので、ここだけ集中する。今日は二回目の巻きで少し破れた。でも、まあいい。家族は気にしない。たぶん。

から揚げは前夜に漬け込んでおいた鶏もも肉を使う。醤油、酒、すりおろし生姜、にんにく少量。揚げる直前に片栗粉をまぶして、160度の低温でじっくり、最後に180度で二度揚げする。この手間が、冷めてもサクッとした食感を保つ秘訣だ。

ブロッコリーのごま和えは、ゆでて水気をしっかり切ったあと、白ごま・醤油・ごま油・砂糖少々を合わせたタレで和えるだけ。五分もあれば完成する。

お弁当箱に詰めるとき、わたしはいつも「すきまを作らない」ことを意識している。おかずとおかずの間に隙間があると、移動中に崩れてしまうから。バランよりも、ミニトマトやブロッコリーをすき間に差し込む方が実用的だ。

荷物をまとめていると、上の子がまだパジャマのまま台所に入ってきた。眠そうに目をこすりながら、弁当箱をのぞき込んで「から揚げある?」とだけ言う。ある、と答えると、それだけで満足そうに戻っていった。会話としてはほぼ成立していないが、なんとなく微笑ましい朝だった。

向かう先は、車で十五分ほどの「みどり野公園」。架空の名前ではなく、ほんとうにそう呼ばれているかどうかは置いておいて、わが家ではずっとそう呼んでいる場所だ。小高い丘の上に広い芝生があって、晴れた日には遠くに山の稜線が見える。風が通る。木陰がある。野外でお弁当を広げるには、これ以上ない場所だと思っている。

レジャーシートを敷いて、お弁当箱を並べる。夫がタンブラーから麦茶を注いでくれる。ステンレス製のカップに入った麦茶は、ほんの少し冷たさが残っていて、それが喉に心地よかった。草の匂いと、どこかから漂う花の甘い香りが混ざっている。子どもたちはすでに走り回っていて、呼んでもなかなか来ない。

やっとシートに腰を下ろした家族が、それぞれお弁当箱を開ける。下の子がから揚げを一口かじって「おいしい」と言う。それだけで、今朝の早起きは報われた気がした。

日曜日の野外おべんとうは、特別なレシピがなくてもいい。前夜の残りおかずだって、外の空気の中で食べれば十分においしくなる。大切なのは、家族が同じ場所で同じものを食べる、その時間そのものだと思う。芝生の上で風に吹かれながら、少し崩れた卵焼きを食べる。そういう日曜日が、きっと何年も先まで、誰かの記憶に残っていく。
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