水曜日のおべんとうが、週の折り返しをちょっと特別にしてくれる話

Uncategorized

ALT

月曜日の朝、まだ体が週末を引きずっている。火曜日になると少しエンジンがかかってくる。そして水曜日——気づけばもう、週の折り返しだ。

会社に向かう電車の中で、ふとそんなことを考えた。窓ガラスに映る自分の顔は眠そうで、手に持ったエコバッグの中には、今朝5時半に起きて詰めたおべんとうが入っている。まだほんのり温かい。アルミのふたを通してじんわり伝わる熱が、手のひらに心地よかった。

子どもの頃、母が毎週水曜日だけ少し豪華なおかずを入れてくれた。「週の真ん中はがんばりどき」と言いながら、いつもより大きな唐揚げをひとつ余分に詰めてくれていた。何十年も経った今でも、水曜日のお昼になるとあの唐揚げの香りをふと思い出す。揚げたての油と、醤油と生姜が混ざったあの匂い。記憶というのは不思議で、味よりも先に香りが戻ってくる。

だから私は、水曜日のおべんとうにだけ少しだけ手をかけることにしている。

今週のメインは「梅しそチキンロール」だ。薄切りの鶏むね肉に梅肉とちぎった大葉を乗せ、くるりと巻いてつまようじで留める。フライパンにごま油をひいて中火で転がしながら焼くこと8分。皮目がきつね色になったら酒と醤油を少し回しかけて蓋をする。蒸気がふたをたたく音がして、キッチンに梅の酸味と醤油の甘い香りが広がった瞬間、今日も悪くないと思う。仕上げにみりんをひと回し。照りが出たら完成だ。

副菜はシンプルにした。ブロッコリーの塩ゆで、卵焼き(今朝は少し巻きがゆるくて、端がぺろりとめくれてしまった——まあ、味は同じである)、それからきんぴらごぼうの作り置き。ごはんは梅干しをひとつ。彩りのためにミニトマトを2粒。これだけで、弁当箱の中がぱっと明るくなる。

お弁当箱は、最近買い替えた「ツナギル」というブランドの木製ランチボックスだ。ウォールナット材のふたが美しくて、職場の休憩室でひとり開けるとき、なんとなく背筋が伸びる気がする。たかが容れ物、されど容れ物。器が変わるだけで、食べる時間の質まで変わるのだから面白い。

会社の昼休み、窓から見える空が今日はやけに青い。九月に入ったばかりの光は、夏よりも少し角度が変わって、休憩室のテーブルに細長い影を落としている。隣の席の田中さんがコンビニのサンドイッチを袋から出しながら「それ、おいしそうですね」とのぞき込んできた。「水曜日だけ気合い入れてるんです」と答えると、彼女は少し目を丸くして、「なんか、いいですね、その習慣」とつぶやいた。

そうなのだ。水曜日のおべんとうは、自分へのエールみたいなものだと思っている。月曜から数えて3日。あと2日で週末。その折り返し地点に、ちゃんと温かいものを自分で用意してあげること。誰かに褒められるためじゃなくて、ただ、正午の12時に「今日もここまで来られた」と確認するための、小さな儀式。

梅しそチキンロールを一口かじると、梅の酸味がじわりと広がって、大葉の青い香りが鼻を抜けた。窓の外では、まだ夏の名残のような風が木の葉を揺らしている。来週の水曜日も、きっとまたお弁当を作るだろう。少し失敗しながら、少し手を抜きながら、それでも週の折り返しをちゃんと迎えるために。
#今日のお弁当
#お弁当記録
#毎日弁当
#お弁当作り楽しもう
#節約弁当
#ヘルシー弁当
#働く人のお弁当
#お弁当アイデア
#簡単弁当レシピ
#一週間お弁当メニュー
#日刊ブログメーカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました