
金曜日の朝は、なんとなく違う。
目覚ましが鳴る前にふと目が覚めて、薄いカーテン越しに差し込む5月の朝の光が、いつもより少しだけやわらかく感じられた。時計は6時15分。会社に持っていくおべんとうを作り始めるには、ちょうどいい時間だ。
明日は休みだ、という事実がじわじわと体の芯に広がっていく。それだけで、台所に立つ足取りが軽くなる。
冷蔵庫を開けると、昨日の夜に下ごしらえしておいた鶏もも肉が待っていた。醤油、みりん、おろし生姜で漬け込んだもので、袋の中でしっとりと色づいている。金曜日だから、少しだけ手間をかけたい。そういう気分だった。フライパンを火にかけると、じわじわと香ばしい匂いが台所に広がり始める。鶏の皮がパチパチと小さな音を立て、生姜の香りがふわっと鼻をくすぐる。
子どもの頃、母が毎週金曜日だけ卵焼きに砂糖を少し多めに入れてくれていた。「今日は週末だから」という理由だけで。当時はそれが特別なことだとわかっていなかったけれど、今になって思い返すと、あの甘さはちょっとした祝福みたいなものだったのかもしれない。そのことを思い出して、今日の卵焼きにもほんの少しだけ砂糖を足してみた。
おべんとう箱は、最近お気に入りの「ハコノヒ」というブランドのもの。木目調のフタが落ち着いていて、会社のデスクに置いても浮かない。中に詰めるのは、照り焼きチキン、卵焼き、ブロッコリーのごま和え、そして梅干しをのせた白ごはん。配色を考えながら詰めていくこの時間が、実は一番好きだったりする。
ここで少し、今日のメインである照り焼きチキンの作り方を紹介しておこう。
鶏もも肉1枚(約250g)を、醤油大さじ2・みりん大さじ2・酒大さじ1・おろし生姜小さじ1を混ぜたタレに一晩漬ける。翌朝、フライパンに油を薄くひいて中火で皮目から焼き、3分ほどしたら裏返す。フタをして弱火でさらに4分。最後にタレを少量まわしかけて照りを出せば完成だ。冷めても味が落ちないのが、おべんとうに向いている理由のひとつ。ブロッコリーのごま和えは、電子レンジで2分加熱したブロッコリーに、白ごま・醤油・ごま油を少量混ぜるだけ。所要時間は3分もあれば十分だ。
詰め終わったおべんとうを、透明なフタ越しに眺めてみる。緑・黄・茶色のバランスが、なかなかいい。自己満足と言われればそれまでだが、この達成感は本物だと思う。
会社の昼休み、窓際の席でそのおべんとうを開けた瞬間、隣の同僚が「いい匂い」とつぶやいた。生姜の香りがふわっと広がったらしい。思わず「一口あげようか」と言いかけて、鶏肉が一切れしか残っていないことに気づき、そっと口を閉じた。心の中で小さくツッコんだ。あぶなかった。
窓の外には5月の青空が広がっていて、風にそよぐ新緑が午後の光を受けてきらきらしている。金曜日の昼間というのは、どこか時間の流れ方が違う気がする。会社にいながら、もうすでに週末の空気を少し先取りしているような感覚。おべんとうを一口食べるたびに、今朝の台所の温度や、パチパチという音や、生姜の香りが少しずつよみがえってくる。
明日は休みだ。だから今夜は少し夜更かしをして、来週のおべんとうのおかずを何にしようか、のんびり考えようと思っている。
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