土曜日の朝に仕込む、野外おべんとう。友人と遊ぶ日の特別レシピ

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土曜日の朝は、いつもより少しだけ空気が柔らかい気がする。カーテンの隙間から差し込む光が、まだ眠そうな部屋の隅を橙色に染めていて、台所に立つと足元がひんやりと冷たい。今日は友人と遊ぶ約束がある。目的地は、市内から電車で二十分ほどの「碧葉ヶ丘(あおばがおか)公園」——広い芝生が広がる、野外でのんびりするには申し分ない場所だ。

手ぶらで行くつもりだったのに、前日の夜、友人から「お弁当持ってきてよ」とひとこと送られてきた。断れない。そういうキャラクターではないのだ、自分は。

だから朝六時半に起き上がって、まずお米を炊いた。炊飯器がかたかたと蒸気を吐き出す音を聞きながら、冷蔵庫を開ける。残っていたのは、鶏もも肉、卵二個、ほうれん草、ミニトマト。「これで行こう」と決めた瞬間、頭の中でおべんとうの絵が浮かんだ。

まずは鶏の照り焼きから取りかかる。鶏もも肉を一口大に切り、フライパンに油を薄く引いて中火で皮目から焼く。じゅわっという音と一緒に、醤油と砂糖とみりんを合わせたたれを絡めていくと、甘辛い香りがふわっと台所に広がった。この香りを嗅ぐと、なぜか小学生のころを思い出す。遠足の前の夜、母が同じような匂いをさせながら台所に立っていた。あのとき自分は布団の中からその香りを嗅いで、翌朝が楽しみで眠れなかった。大人になってもこの匂いだけは、胸のどこかをきゅっとさせる。

照り焼きが仕上がったら、ほうれん草をさっと茹でてごま油と塩で和える。卵は薄焼きにして、くるくると巻いて切り分ける——いわゆる卵焼きではなく、あえてシンプルに。ミニトマトは彩りのために五個ほど洗って並べた。

詰め方にも少しこだわった。白いご飯を半分に仕切り、片側に照り焼き、もう片側に卵とほうれん草を並べる。ミニトマトは角に転がすように置いて、最後に白ごまをぱらりと散らす。我ながら悪くない。スマートフォンで写真を撮ろうとして、うっかりフタを閉める前にシャッターを押してしまい、ボケた写真が一枚残った。まあいい。

公園に着いたのは十時すぎ。五月の空は高くて青く、風が吹くたびに若葉のにおいが鼻をかすめた。芝生の上にシートを広げ、友人たちと輪になって座る。日差しは温かく、でも風がひんやりしていて、その温度のはざまがちょうど心地いい。

おべんとうの蓋を開けると、「わあ」と誰かが言った。大げさじゃなく、本当にそう言ったのだ。照り焼きの醤油の香りが外気に混じってふわりと立ち上り、友人がひとつつまんで「うまい」とだけ呟いた。それだけで十分だった。

野外で食べる食事というのは、不思議と何でもおいしく感じる。芝生の上、青空の下、隣に好きな人たちがいる。それだけで、味が変わる。いや、変わるというより、増幅する。

友人と遊ぶ時間はあっという間に過ぎていく。昼を過ぎてもまだ話が尽きなくて、気づけば空の色が少しずつ傾いていた。帰り道、電車の窓に映る自分の顔が、なんとなく満足そうに見えた。

土曜日のおべんとうは、難しくなくていい。冷蔵庫にあるものを、ていねいに、少しだけ愛情を込めて詰めるだけで、野外の風がおいしくしてくれる。次の土曜日も、また作ろうと思った。
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