月曜日のおべんとう、今日だけ気合いを入れてみた話

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夏の終わりが、少しずつ近づいてきている。

8月の末、朝6時に台所に立つと、窓の外からまだ蝉の声が聞こえた。けれど昨日より少しだけ、その声が遠い気がした。エアコンをつけるか迷いながらも、結局つけずに立ったまま、冷蔵庫を開ける。白い光が台所に広がって、ちょっとだけ目が覚めた気分になる。

月曜日の朝というのは、どうしてこんなにも独特の重さがあるのだろう。週末の自分と、会社へ向かう自分のあいだに、薄い膜が一枚張ってあるような感覚。それでも今日は、なんとなく気合いを入れてみようと思った。理由はとくにない。ただ、冷蔵庫の中に昨日買ったから揚げ用の鶏もも肉があって、それを見たとき「あ、今日は本気を出せる」と思っただけだ。

鶏もも肉を一口大に切って、醤油・みりん・にんにくチューブ・生姜チューブを合わせたタレに15分ほど漬け込む。その間に卵を溶いて、薄焼き卵を作る。フライパンに薄く油を引いて、卵液を流し込むと、じゅわっという小さな音と一緒に、ほんのり甘い香りが台所に広がった。くるくると端から巻いて、まな板の上に置く。少し不格好に巻けてしまったけれど、それはそれで愛嬌があると思うことにした。

漬け込んだ鶏肉に片栗粉をまぶして、フライパンで揚げ焼きにする。皮目からじっくり焼くと、パチパチと油が跳ねる音がリズムよく響く。焼き色がついてきたころ、ひっくり返すと、こんがりとした断面が現れた。この瞬間が、お弁当作りの中でいちばん好きかもしれない。

【月曜日の気合い弁当・簡単から揚げの作り方】

鶏もも肉(250g)を一口大に切り、醤油大さじ2・みりん大さじ1・にんにく&生姜チューブ各1cmを混ぜたタレに15〜20分漬ける。片栗粉をしっかりまぶして、油を多めに引いたフライパンで中火・片面4分ずつ揚げ焼きにするだけ。冷めても柔らかくジューシーに仕上がるのが、お弁当向きのポイントだ。

おかずが揃ったら、いよいよ詰める作業。白いご飯をふんわりよそって、梅干しをひとつ真ん中に置く。から揚げを並べて、薄焼き卵とブロッコリーの塩ゆでを添えると、なんとも色鮮やかな弁当箱になった。使っているのは、雑貨店「ハコノヒ」で見つけた、くすんだ青緑色の二段弁当箱。ふたを閉める瞬間、ちょっとだけ誇らしい気持ちになる。

ひとつ、正直に言うと。から揚げを詰め終えてから、片栗粉をまぶすのを一部うっかり忘れた鶏肉が2切れほどあったことに気づいた。揚げ焼きにしたら普通に美味しそうな焼き色になっていたので、そのままこっそり詰めた。たぶんバレない。

会社への道すがら、弁当袋をぶら下げながら歩く。アスファルトからはまだじんわりと熱が上がってきていて、サンダルの底越しにその温度が伝わってくる。夏はまだ終わっていない。でも、手の中の弁当袋は、なんだか今日一日を乗り越えるための小さなお守りみたいだと思った。

月曜日に気合いを入れたお弁当を作るというのは、自分のためでもある。会社の昼休み、ふたを開けたときに「ああ、今朝ちゃんとやったな」と思える、その一瞬のための準備だ。誰かに見せるわけでも、褒めてもらうわけでもない。それでもいい。月曜日の朝、台所に立って、油のはねる音を聞きながら作ったお弁当は、ほかの何にも替えがたい一品になる。

今週も、なんとかやっていけそうな気がする。
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