
月曜日の夜が終わって、また火曜日がやってくる。週の中でもなんとなく中途半端で、テンションも上がりきらないこの日に、私はいつもより少しだけ早起きをしてお弁当を作ることにしている。
きっかけは小さなことだった。数年前、会社の昼休みにコンビニのおにぎりをひとつ買って、給湯室の窓際でひとりで食べていたとき、なんとも言えない虚しさを感じたのだ。おにぎり自体がおいしくなかったわけじゃない。ただ、誰かが自分のために何かを用意してくれた、という感覚がそこにはなかった。それが寂しかった。だから、自分で自分のために作ることにした。それだけの話だ。
午前6時15分。キッチンに立つと、まだ外は薄暗く、窓の向こうに白んでいく空が見える。冷蔵庫を開けたときの冷たい空気が頬をかすめる。昨夜の残りのきんぴらごぼうがタッパーに入っていて、これは使える、と思う瞬間が地味に好きだ。
今日作るのは、シンプルな「鶏そぼろと卵のおべんとう」。材料は鶏ひき肉、醤油、みりん、砂糖、卵、そして炊きたてのごはん。これだけでいい。フライパンに鶏ひき肉を入れ、醤油大さじ1、みりん大さじ1、砂糖小さじ1を加えて、菜箸で細かくほぐしながら炒める。水分が飛んでそぼろになるまで、中火でじっくり。香ばしい醤油の香りがキッチンに広がって、眠気が少しずつ引いていく。
卵は別のフライパンで炒り卵にする。溶き卵に塩と砂糖をほんの少し入れて、弱火でゆっくり混ぜる。半熟より少し手前で火を止めるのがコツで、余熱でちょうどよく仕上がる。ここで欲張って強火にすると、ぼそぼそになってしまう。これは何度か失敗して覚えた。
お弁当箱は「ヴァルダ」というブランドの木製のもので、少し前にネットで見つけて買った。蓋を閉めると、ほんのり木の香りがするのが気に入っている。白いごはんの上に、茶色のそぼろと黄色の炒り卵を並べると、それだけでなんとなく気持ちが整う。昨夜のきんぴらも小さなカップに入れて添えた。彩りが少し寂しいと思って、冷凍のブロッコリーをレンジで解凍して隅に詰める。完成。所要時間は20分もかかっていない。
会社に着いて、昼休みになる。自席に戻ってお弁当箱を開けると、ごはんの上にそぼろと炒り卵がきちんと収まっていた。あ、でも今日は少しそぼろが多すぎて、蓋を開けた瞬間にひとかたまりがはみ出した。心の中で「あ」とだけ思う。まあ、味は変わらない。
口に運ぶと、ほんのり甘しょっぱいそぼろの味が広がる。炒り卵はふわっとしていて、きんぴらの歯ごたえがいいアクセントになっている。会社の昼休みの、あの給湯室の窓から見えた空と同じような青さが、今日も窓の外にある。でも、気持ちは少し違う。
火曜日は不思議と、こういう小さなことで「がんばろう」と思える日だ。月曜日に気合を入れすぎて疲れた体に、ちょうどいい補給をする日、とでも言えばいいか。お弁当を作るという行為は、誰かに見せるものでも、SNSに上げるものでもなくていい。自分が午後の仕事を乗り越えるための、静かな準備だと思っている。
作ることが面倒な日もある。正直に言えば、先週の火曜日は目覚ましを止めてそのまま二度寝して、結局コンビニになった。それでもいい。でも、作れた日の昼休みは、やっぱり違う。お弁当箱の蓋を開ける瞬間に、朝のキッチンの空気と、醤油の香りと、薄明かりの中で立っていた自分がふわっと戻ってくる。
火曜日の朝、6時15分。それだけで、今日もちゃんとやれる気がする。
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