
月曜の朝、冷蔵庫を開けて絶望する。
会社に持っていくお弁当を作らなきゃいけないのに、何も思いつかない。いや、正確には「気合いを入れた弁当」を作ろうとして頭が真っ白になってるだけなんだけど。SNSで見かけるキラキラした三段重ねの弁当箱とか、彩り豊かな野菜が整列してるやつとか、ああいうのを想像しちゃうと動けなくなる。私が求めてるのはそういうんじゃないはずなのに。
実は先週の金曜日、会社の同僚が「月曜の弁当が一番大事なんだよね」って言ってたのを思い出した。週の始まりだから気合いを入れるべきだって。確かに一理ある。でも気合いの入れ方を間違えると、朝から鶏肉を三種類のスパイスで漬け込んで、パプリカを星型にくり抜いて、みたいな地獄が始まる。
だから私が行き着いたのは、卵焼きだった。
ただの卵焼きじゃなくて、ちょっとだけ工夫した卵焼き。朝7時の台所、フライパンを温めながら卵を3個割る。この時の卵が冷蔵庫から出したてで冷たくて、ボウルに割り入れる時のあの音が好き。コツン、って。砂糖を小さじ1、塩をひとつまみ、醤油を数滴。ここに白だしを小さじ半分くらい入れるのが私なりのポイントで、これだけで味に深みが出る。菜箸でシャカシャカ混ぜる。泡立て器は使わない。なんとなく、菜箸の方が卵焼きっぽい気がするから。
油を引いたフライパンに卵液を流し込む瞬間の、ジュワーって音と湯気。あの匂いを嗅ぐと、ああ今日も一日が始まるんだなって思う。奥から手前に巻いていく作業は、何度やっても緊張する。最初の一巻きを失敗すると全体が崩れるから。でも月曜の朝にこの緊張感があるのも悪くない。適度に頭が覚醒する。
そういえば去年の夏、当時付き合ってた人に「卵焼きって甘い派? しょっぱい派?」って聞かれて、私が「白だし派」って答えたら「は?」って顔されたことがある。その人とはもう別れたけど、卵焼きの話で価値観の違いを感じた瞬間だったかもしれない。どうでもいいけど。
巻き終わった卵焼きは、巻きすで形を整えながら粗熱を取る。この待ち時間にご飯を詰める。白米の上に、前の晩の残りの塩鮭をほぐしたやつを散らす。鮭フレークじゃなくて、ちゃんと焼いた塩鮭。これ重要。冷めても美味しいし、ご飯に味がつくから。
卵焼きを1.5センチ幅に切る。断面がきれいに見えるように、包丁は一回ごとに濡れ布巾で拭く。これ、料理研究家の「タニカワユミ」さんがYouTubeで言ってたテクニックなんだけど、本当に仕上がりが違う。切り口がつるんとする。
弁当箱に卵焼きを並べる時、隙間が気になり始めるとキリがない。だから私は最初からミニトマトを3個用意しておく。赤い色が入るだけで、急に「ちゃんとした弁当」に見える不思議。あとは冷凍のブロッコリーを前の晩に冷蔵庫に移しておいたやつを、レンジで20秒チンして添える。緑も入った。これで三色。信号機弁当の完成。
月曜日の弁当に気合いを入れるって、別に手の込んだものを作ることじゃないと思う。日曜の夜に下ごしらえして、月曜の朝に慌てずに詰められる。そういう準備ができてる状態が、私にとっての「気合い」なんだと気づいた。
会社の昼休み、デスクで弁当箱を開ける。卵焼きの黄色が目に入ると、朝の台所の光景が一瞬よみがえる。ジュワーっていう音、白だしの香り、包丁で切る時の感触。そういう朝の記憶を昼に持ち込める感じが、なんか好き。
完璧な弁当じゃなくていい。月曜日は卵焼きがあればいい。そう思えるようになってから、日曜の夜の憂鬱が少し軽くなった気がする。
まあ、火曜日には早くもやる気がなくなって、コンビニに走るんだけど。
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