週末の日曜日、いつもの食卓から飛び出して、家族みんなで野外へ出かけてみませんか。青空の下で食べるおべんとうは、同じおかずでも不思議と何倍も美味しく感じられるものです。子どもたちの笑顔、爽やかな風、木々のざわめき。そんな特別な時間を彩るのが、心を込めて作ったおべんとうです。
野外で食べるおべんとうには、いくつかのポイントがあります。まず、持ち運びやすさと傷みにくさ。そして、冷めても美味しいこと。さらに、家族みんなが喜ぶバラエティ豊かなメニュー構成です。日曜日の朝、少し早起きして準備する時間も、家族のための愛情表現のひとつ。難しいレシピは必要ありません。シンプルで美味しい、そして作りやすいメニューこそが、野外でのおべんとうには最適なのです。
まず定番として外せないのが、ふっくら炊いたご飯を使ったおにぎりです。塩むすびにするもよし、鮭や梅干し、昆布など好みの具材を入れるもよし。ラップを使って握れば手も汚れず、衛生的です。おにぎりは一口サイズにすると、小さな子どもも食べやすく、ピクニック気分も高まります。海苔を巻く場合は、食べる直前に巻くとパリパリ食感が楽しめますが、あえて時間を置いてしっとりさせるのも美味しいものです。
次に、野外でのおべんとうに欠かせないのが、冷めても美味しい唐揚げです。作り方は簡単。鶏もも肉を一口大に切り、醤油、酒、すりおろし生姜、すりおろしニンニクで下味を付けます。三十分ほど漬け込んだら、片栗粉をまぶして中温の油でじっくり揚げるだけ。二度揚げすると外はカリッと、中はジューシーに仕上がります。唐揚げは子どもから大人まで人気のメニューで、野外で食べると格別です。レモンを添えれば、さっぱりといただけます。
卵焼きも忘れてはいけない定番メニューです。基本の卵焼きは、卵三個に対して砂糖大さじ一、醤油小さじ一、だし汁大さじ二を混ぜ合わせます。卵焼き器を熱し、薄く油を引いたら、卵液を少しずつ流し入れて巻いていきます。ほんのり甘い卵焼きは、おべんとうに彩りと優しい味わいを添えてくれます。中にチーズやネギを入れてアレンジすれば、また違った美味しさが楽しめます。
野菜もしっかり取り入れたいところです。ミニトマトは洗ってヘタを取るだけで、鮮やかな赤色がおべんとうを華やかにします。ブロッコリーは小房に分けて塩茹でし、冷ましてから詰めましょう。茹でる際に少し硬めに仕上げると、時間が経っても食感が残ります。また、きゅうりを薄切りにして塩もみし、水気を絞ってから胡麻油と醤油で和えた即席漬けも、箸休めに最適です。
もう一品、野外で食べやすいメニューとして、ミートボールがおすすめです。合挽き肉に玉ねぎのみじん切り、パン粉、卵、塩コショウを混ぜて丸め、フライパンで転がしながら焼きます。ケチャップとウスターソースを同量混ぜたタレを絡めれば、子どもたちが大喜びする甘辛ミートボールの完成です。竹串に刺しておけば、手を汚さず食べられて野外でも便利です。
デザートには、フルーツを持っていきましょう。バナナやリンゴは皮をむいてラップで包み、ぶどうやいちごはそのまま容器に入れて。フルーツは野外での食事に爽やかさをプラスし、食後のお口直しにもなります。凍らせたゼリーを保冷剤代わりに入れておけば、食べる頃にはちょうど良い冷たさになっています。
おべんとうを詰めるときは、ご飯とおかずを別々の容器に入れると、味が混ざらず美味しさが保てます。また、おかずの汁気はしっかり切ること。レタスやバランなどで仕切りを作れば、見た目も美しく仕上がります。抗菌シートを活用するのも、野外での食事には安心です。
日曜日の朝、キッチンに立っておべんとうを作る時間は、家族への愛情を形にする幸せなひとときです。「今日はどこへ行こうか」「何をして遊ぼうか」と考えながら、ひとつひとつおかずを詰めていく。その作業自体が、すでに楽しい一日の始まりなのです。
野外で広げるおべんとう箱のふたを開ける瞬間、家族みんなの顔がほころびます。「美味しそう!」という声が聞こえ、青空の下で頬張る姿を見ると、早起きして作った甲斐があったと心から思えます。食事を囲んで語らう時間は、家族の絆を深める大切な時間です。
特別な場所へ行かなくても、近所の公園でも、川辺でも、野外で食べるおべんとうは特別な体験になります。日常から少しだけ離れて、自然の中で過ごす日曜日。手作りのおべんとうを持って、家族みんなで出かけてみてください。きっと、心に残る素敵な一日になるはずです。
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